LIFE STORY06

欲張りな選択

2通の手紙

モヤモヤの中、その後の進路を変えた選択

半年間ほどかけて、コーチングの基礎・応用コースのプログラム(15日間)を受講してみると、ファシリテーターを務めるコースリーダーたちの高いインテリジェンスと、ハートフルな人間性には大いに惹かれるところがありました。しかしながら、コースをひと通り受講し終えても、私のモヤモヤは消えません。結局、「コーチングとは何か?」というところが腹落ちしないのです。

そんな気持ちで2週間ほど過ごしていたところ、コーチングを学んだ機関(CTI)から「コーチング・資格(上級)コース」と「リーダーシップ・プログラム」の案内が届きました。
1.資格コースだけ受講する
2.リーダーシップ・プログラムだけ受講する
3.両方受講する
4.両方受講しない
という4つの選択肢のある中、私は「コーチングとは何かを探る旅」を続ける決断をしてしまいます。

無謀な挑戦

同時進行する2つの学び

昼食時間も削って受講、宿題や課題に取り組む

資格(上級)コースは、2週間ごとに電話会議で受講するシステムですが、電話会議の間にも音声学習やコーチングの受講や宿題などの課題が山ほどありました。
一方のリーダーシップ・プログラムは、アメリカに4回渡り、大自然のど真ん中の施設で、合宿スタイルで受講するものです。つまり、長期休暇を4回取らなくてはならず、この2つの学びと仕事を同時に行っていたときは、まさに目が回る忙しさでした。一週間のスケジュールを書き込むと、計画の段階で食事を摂る時間がつくれないのです。
これには気分が落ち込みました。

2003年4月、またしても無謀な挑戦が始まりました。
資格コースとリーダーシップ・プログラム、どちらの学びがどのように自分に作用しているのかが当時の私にはわからず、学んだことを消化するのにはかなりの時間がかかりました。
しかし、結果的に2つのプログラムからは非常に多くのことを学ばせてもらいました。

人の可能性を100%信じきる

コーチングを学んで見えてきた、自分が最も得たかったもの

お客さまの人生を伴走する者として、ライフプランナーに求められるのは、「営業力」だけではありません。「共感」や「受容」といった「寄り添う心」、そして、夢や希望の実現を後押しする「応援力」も求められます。

私は、共に怒ったり悲しんだりする「共感」についてはカウンセリングの学びを通しても得意としていましたが、表面的な応援ではなく、「人の可能性を100%信じきる」というスタンスには少しだけ苦手意識がありました。コーチングを学ぶにつれて私が変わっていったのは、まずこの部分だったと思います。

私が最も得たかったものは、「人の可能性を100%信じることのできる自分」なのだ——。それを理解できる領域にたどり着けたことが、私が資格(上級)コースまでコーチングを学んだことによる最大の収穫でした。

二刀流でいこう

しなやかさを取り戻す

理想のライフプランナー像を広めていく準備が整った

2004年、資格(上級)コースの試験に合格し、私は、国際機関CTIが認定する「CPCC®(Certified Professional Co-Active Coach)」となりました。
当時、このプロコーチ資格を持っている保険営業マンはいませんでした。
これに加えて、心理カウンセリングの経験も豊富な営業マンは、もちろん業界には一人もいなかったと思います。その先駆けとなったことで、私は、いよいよ自分の理想とするライフプランナーの姿をつくり上げ、広めていくための準備が整ったと感じました。

私はコーチングを学ぶ過程で、カウンセリングとコーチングのどちらを選ぶかを悩んだ時期もありましたが、よくよく考えてみると、「人がより良く生きるために支援していく」という目的はどちらも同じです。そこに気づいてから、「どちらかを選ぶ必要はなかった、二刀流でいこう。」と、こだわりを手放して、しなやかさを取り戻すことができました。

その表明の一環として、毎月開催してきた「カウンセリング勉強会」は、「CS楽満流」と名称を変え、カウンセリングだけにこだわらず、「より良く、楽しく生きるため」の幅広いプログラムへと変更することにしました。