LIFE STORY08

再びトップセールスマンへ

自分を縛ったルールからの解放

自己認識と周りからのフィードバック、一点だけあったギャップ

2012年、仲間の紹介で「360度サーベイ(TLC:The Leadership Circle)」を受けました。

「私の成功を心から望んでいる(と思われる)お客さまや同僚、後輩たちなど20人を私が選び、その方々が私をどう見ているか?」を明らかにし、自己成長につなげていくことが目的です。

その結果は、《自己認識とフィードバック》は、ほぼピッタリ一致していましたが、一点だけギャップがありました。それは、「取り組みは素晴らしく応援しているが、もっとイキイキとセールスをしている姿を見たい」とか「営業の分野でも存在感を示してほしい」といった声でした。
つまり、「もう一度営業の最前線に立て」という激励です。

温かい言葉

これは、私にはとても意外なフィードバックでした。
私の思いをよく知り、応援してくれている人たちが、こうしたフィードバックをしてくださることには困惑しましたが、10年以上「自ら営業をしない」と頑なになっていた鎧を脱いでじっくり考えてみると、「もっと大きな視点から仕事を見ろ。既存のお客さまを大事にしながらでも、新規販売してもいいんだよ。もっと大きな存在になれ!」という温かい言葉が聞こえてくるような気がしました。

それまでの私は、自分のチャレンジは一定の成果を上げ、ひと段落ついたと思いながらも、「自ら宣言し、実行していることを180度転換するのは、周囲が納得できる大きな理由がなければならない」と思い込んでいたのでした。

その先にある「愛される業界」へ

新規契約重視からアフターフォロー重視への転換

私が「生命保険業界をもっと愛される業界にする」と息巻いていた2003年当時は、アフターフォローに本気で舵を切る時代ではありませんでした。しかし、それから18年が過ぎた今は、どこの会社も「アフターフォローが大事だ」と言って、新規契約重視からアフターフォロー重視に転換しています。

やっとそういう時代になってきたのです。
あのとき自分の掲げたプロジェクトは、ひとまず、第一幕を下ろすことができたのだ——。最近はそんな感覚があります。もちろん、私の貢献など微々たるものでしょうが、心の中で「俺は自分のプロジェクトを達成したんだ!」と静かにガッツポーズをしているのです。

役割が問われる

保険のネット販売や来店型保険ショップが台頭し、保障のAI診断なども登場する中で、「ではライフプランナーは何をしてくれる人なのか?」と、その役割が問われる時代に入りました。

昔、駆け出しの頃、ライフプランナーが「お客さまにとってかけがえのない存在であるといいな」とぼんやりと思い描いていましたが、私は今後、それがどういうことなのかを、身をもって1つのモデルを示していけたらいいなと思っています。

そして、自分の思いが成就したその先には、誰からも「愛される保険業界」の姿を見ることができるでしょう。
「将来なりたい職業は、プロ野球選手、お医者さん、ライフプランナー……」
子供たちがそんなふうに答える時代が来ることを、私は心から願っています。